熱
熱
かち栗のように熱くほてった子を抱き
ひび割れた紅き唇に頬をよせ
ただ その熱が伝わるように
四肢かき抱き 息を止め
ぴし と凍てつく 睦月の中
二人だけの熱い 終日。
。。。寒いですね。
すっぽり、睦月のなかですね。
この詩は、10年ほど前次男が、お熱で一日添い寝した、一月の日に
書きました。
子供の熱って、ぴゅ~~って、41度とか出ちゃうから、はらはらします。
急に立ち上がって、見えない 何かに向かって、話しかけたりもします。
熱が遠のくまで、狂っていないことを、ただ願ってそばにいるしかありません。
世なのかに、小さい人はいっぱいいるって 最近思います。
たぶん、私の目が小さい人を、探しているのだと思います。
小さい人は、じっとこっちを見つめます。
いたるところで、その視線につかまります。
そして、じっとみつめて、めをそらさず、ふわっと笑います。
なんどでも、ふりかえって笑います。
カートに乗せられた小さな人は、わけもなく、手足をパタパタとします。
その動きがどこから来るのか、おもうままに動く様子に心を捉えられます。
小さい人が苦手だったのに、
友達の前で子供にどう振舞ったらいいか、戸惑ったりしたのに
いつもわたしにくっついて、私をママと呼んだわが子。
小さかった人。
私に抱かれて、小さな寝息をたてた人。
今は、私より大きくなって。
冬休み最後の日を、私の小言を聞いていたのに
塾へ送る 車の中で
「お母さん。今日の月は凄く綺麗だね。」
あなたの言葉は、いつも、どこか違う場所からやってきて
その場所は、誰にも、踏み込めない場所。
南の空を仰ぐと、氷の破片のような、薄いペーパームーン。
この月は生まれたところか、消えていくのか私は知らない。
つきを見ないまま、今年まで来てしまった。
息子の言葉が、私を月に向かわせる。
変わらないもの。
私とあなたの間には、いつでも月がある。
ママでなくて、お母さんになってしまった今夜も。