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キス

Posted by さおる。 on 19.2010 日常 11 comments 0 trackback
いつまでも、高校生でしかないはずの清水が、大人びた雰囲気になって
私にあいに来た。

清水は授業中でも、クラスが違っても、いつも、私の机に、かばんの中に、何処かしこに
小さな手紙を差し入れる。
小さく折りたたまれた手紙のおもてに、「saosaoへ」と書いてある。

清水はグループの中でいつも楽しそうだったけど、私は何処のグループにも属していなかったけど
私たちは仲良しで、ひとまわり小さい清水は、いつも私にくっついて、袖をひっぱたり、腕にくっついて
歩いた。

お互いにボーイフレンドがいたけど、いつも他の男の子の話で、きゃーきゃーと盛り上がったり
試供品の真っ赤な口紅を200円で買って塗りたくってみたり、学校帰りにケーキを食べたりした。

お誕生日には、フェルトで作ったサイコロの様なぬいぐるみに、私のトレードマークであるさおる虫。
清水のマークのあまがえる。私のボーイフレンドのマークのいちご。
それぞれのイニシャルのCとSとYが6面に、パッチワークしたものを作ってくれた。

私も毎日手紙を書いた。「cimicimiへ」



高校を卒業して、地元の薬局に就職した彼女は、時々手紙をくれた。
その手紙には、ビタミン剤やら、いろんな薬が入っていた。
毎日あっていた清水と、あわないまま数年がすぎた。








夏がやって来た。

夏を通り越して、少女は大人になる。
繰り返し訪れる夏を、違う人の顔になって迎える。

足元がおぼつかないまま、息継ぎをわすれたまま
季節に突き動かされるように生きる。

そして、知るんだ。
太陽のまばゆい日差しは、地面に漆黒の影を落とすことを。
光と影は、背中合わせであることを。



灼熱の太陽が、また一日を始めようとする夏の朝。
「清水が死んだ」と電話があった。


暑い日になった。


バスを乗り継いで、かえりつくと、川沿いの石畳の路地裏を抜けてたどり着いた先に、
開け放たれた引き戸の向こうに、氷柱の並ぶ隣に置かれた棺の中に、

ばら色の頬をした、ぽってりとした唇をした清水が、
たくさんのぬいぐるみに囲まれて、ねむっていた。



真っ赤なりんごをのどにつまらせたのだろうか。
白雪姫になった清水。



清水は死んでしまった。
あの日、私たちは25さいだった。






清水の年齢を、ひとつずつ超えてきた。
清水が死んだ理由を私は知らない。
誰かに聞いたとしても、誰にもわかるはずがない。
ただ、清水は、私のいる世界から消えてしまった。

のこったのは、あのふんわりとした笑顔。私にまとわりついた白いやわらかい手。
花のようにわらうんだ。
花にふくかぜのようにやわらかいんだ。
そんな、無垢な魂そのものだったんだ。






清水はその会場の空気を引き締める威厳をもって立っていた。
私は、たくさんの人と、清水の催す何かのセミナーに参加しているのだった。

清水は私のほうに歩いてきて、周りの人にこんな風に言った。
「みなさん、それでは、しっかりと目を閉じて、この言葉を唱えてください。」
まわりの大勢の人たちがその言葉にしたがって、目を閉じた。その瞬間。

「さおる、いい?」とすばやくきいて、私の唇にキスをした。
2度。すばしこく。
やわらかい、しっとりとした感触を残して。

彼女は20年の年月を越えて、私に会いにきてくれたんだ。
ほんの短い、数秒に、思いのたけを伝えたんだ。



私は清水だって。私はさおるが好きだって。



びっくりしたけど、その唇の感触から、思わぬ大胆な行動に出たことから、
清水の思いが、そのままわたしに届いたんだ。


わたしだって、あなたと3秒しかコンタクトとれなかったら、キスをするのがいちばん有効かと思う。

どんなに大切な人だったか。

こんなにも、私の胸を詰めてしまうのか。

私は清水にあったんだ。

長い年月を超えて。

ほんの数秒だったけど

彼女は、私を抱きとめてくれたんだ。

清水は私の大切な、かわいい友達なんだ。



少女
「少女」サムホール

こんにちはです。

『言葉にならない』
最近、その言葉が少し・・わかる気がします。

人が想い・悩み・悲しんでいる時に・・
どうしようもなく・・何も言えず・・ただ、抱きしめたくなります。

言葉で伝えられるものなんて、
砂のほんのひとかけ程でしかないのかもしれませんね。

『cimicimi』さんは、
はかりしれない想いを、唇を寄せる事で伝えに来てくれたのでしょうね。

『さおる、おめでとう。もっともっと、さおるがさおるでありますように・・』
と・・。
2010.11.21 13:44 | URL | kaminomoribito #JyN/eAqk [edit]
こんにちわ。清水が亡くなってから、もう20年の歳月が流れたというに、
ふいに現れた彼女は、生命の存在そのもので、その有り余るような命でもって私を包んでくれたのです。
きびすを返すようになキスをして、いたずらっぽくわらうのです。

かわいい人なのです。

2010.11.21 14:04 | URL | さおる。 #JyN/eAqk [edit]
抱きしめること キスすることで全てを感覚で感じることがある
伝えたい何か、それは言葉ではなく魂の響き

人生で一番重要な言葉の多くは直感的です。
なぜ真実かがわかる前に、とにかく真実だとわかる

わたしたちは、自分の最も偉大な部分を、自分の外で体験しようとしている。
他者を通じて自分を体験しようとしている。
わたしを通じて他者に自分を体験させるのではなく・・・。

見えるもの 感じるものに 時をみる
立ち止まるには 訳ありしかな(心海)
2010.11.22 08:10 | URL | 心海 #JyN/eAqk [edit]
私の呼ぶ声を聞いていただけたのですね。
心海さんを、呼んでいました。

友達は、いつも微笑んでいるような人でした。
大人しいのだけど、支えられていたのは私のほうかもしれません。

彼女がいなくなって、ふたりで語る旅をしようと、25歳の秋、京都に行きました。
大原、三千院の燃える紅葉を彷徨いました。
何処からか聞こえてくる声明を、 石段に座って聞きました。

彼女は風になって私とともにいました。
聞いてあげられなかった 言葉を、風の中に聞いていました。

ウォークマンに、ユーミンの紅雀をたずさえて。

数日前に現れた彼女は、私の心を捉えてしまいました。
一部の隙もなく、無垢なる精神と愛情で埋め尽くされてしまったのです。
魂の響きによって。

彼女のように、大きな愛を伝えられる、そんな人になりたい。

そう思いました。
2010.11.22 09:15 | URL | さおる。 #JyN/eAqk [edit]
さおるさん、こんにちは^^

以前見た「ラブリーボーン」という映画を思い出しました。
死後の世界と少女時代・・・・四次元以上の世界なんでしょうね。

少女の絵、素敵ですね。バルテュスやクリムトやワイエスの少女が
好きですけど・・・・無垢なるこころを持つものは、愛らしいです。
2010.11.22 11:48 | URL | はなさかすーさん #dSgqtt7g [edit]
わたしも、以前、「ラブリーボーン」を読みました。
少女は、惨殺されながらも、痛みを天国には引きずって行かないのですね。
その軽やかとも言える、繊細な感性で物語は続いていって、犯人のことを
Mr.を付けて呼んでいたりする。
あの、音楽が途絶えないかんじの展開が、やさしく心に響きました。

この絵はアンバランスを持ち合わせ美しくある、少女を描きましたが
友達に心囚われる数日をすごして、この子は、彼女だったんだ。

と気づきました。
2010.11.22 13:07 | URL | さおる。 #JyN/eAqk [edit]
こんにちは。
なんと綺麗なお話でしょうか。
若くして亡くなった人々は美しい印象を残します。
それでもこのお話は、とりわけ美しいですねえ。
あなたと清水さんの学生時代の姿。
淡い光の中に二人のシルエットが見えるよう。
笑って戯れ合っている。

そうして、真夏の死。
彼女に何があったでしょうか。
伝えきれなかった想いは、時を超え、空間を超えて、
今ようやくあなたのもとに届いたのかもしれませんね。
saosao、おめでとう。好きだったよ。今でも大好きだよ。
って。

ああ。これはいい絵ですねえ。
これはもう、彼女としか思えませんね。
こんなふっくらした頬と唇をしてらしたでしょうか。
いたいけに思えるほど少女少女した体の胸の奥には、
真紅の薔薇のような熱い魂がひっそりと咲いていたでしょうか。



2010.11.25 14:27 | URL | 彼岸花 #bKDOO.Zg [edit]
私は、気づいていました。
一見かわいく見える彼女が、どんなにノーブルな美しさを
携えた人か。
彼女の表情が、メランコリックに見えることがあっても、
哀しみや、苦しみは、心のそこに沈ませて
わたしには、必ず笑顔で振り返るような人でした。

そして、ちゃめっけのある。
この夢で出合ったとき、一番に、「やってくれるな~。かっこいいよ。」
と 思ったのです。

わたしも、彼女のことが、ずっとずっと大好きです。
2010.11.25 18:15 | URL | さおる。 #JyN/eAqk [edit]
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2012.08.04 22:19 | | # [edit]
あれから四半世紀になるんだね。

彼女の分まで一生懸命生きて来たのか自省するよ。

同級生なのに妹のような存在で、彼女の周りは優しく柔らかい空気に包まれてたよね。

彼女の笑顔、みんなで騒いだこと、ブルーとピンクのちっちゃなパッチワークの人形……いつまでも忘れないよ。
2015.08.19 09:48 | URL | RINOSAMA #- [edit]
RINOSAMAコメントありがとう


同級生なのに妹のような存在で、彼女の周りは優しく柔らかい空気に包まれてたよね。
そうだよね。
彼女の持っていたものは、八幡の町を歩くとそこかしこにそのまんま存在している気がします。
誰もが愛した。
今も愛する女性なんだね。
2015.08.24 09:26 | URL | さおる。 #- [edit]


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Author:さおる。
はじめまして。さおるです。絵を描き、詩を詠い、さまよい生きるものです。  
一人語りのような場所ですが、お付き合いよろしくお願いします。
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