Loading…
 

スポンサーサイト

Posted by さおる。 on --.-- スポンサー広告
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

鯉と老犬

Posted by さおる。 on 18.2012 日常 6 comments 0 trackback

120418_1322~01


五日間、犬の餌やりを頼まれた。
夫の祖母も叔父も亡くなり、空っぽになった家。

メリー。メリーと呼んでも姿が見当たらない。
引き戸を開けて、コンクリートの土間を奥まで進んで行く。
冷んやりと冷え切って薄暗い。

長い土間を過ぎ、裏庭まで続く道を進む。
縄が十時にかけられたままのたくさんのお茶碗。瀬戸物の枕や、火鉢がいたるところに。
家の中には、ガンガンに入ったままの反物もそのまま眠る家。

通路を渡って行く間に、小さな池が三つあって、今は一つを残して埋められている。

メリーは、何処にいってしまったんだろう。
いつもは道路沿いの引き戸のすぐのところに、丸くなって外の様子を伺っているに。

怪訝に思いながら、裏の庭に出ると、
桜の木のしたに敷かれたカーペットの上で、身動きもしず陽を浴びて眠っている
メリーがいた。

最後に残った花びらが、そよと舞い降りて、犬の周りに漂っている。

(メリー。メリーさんここにいたの。 )
と言って、しゃがみこんで顔を寄せた私に、ようやく気づいて、目を醒ました。

目も白濁し、耳も遠くなって、人の気配も気づかなくなったんだね。
でも、一番日が当たる場所だけは、ちゃんと分かって、暖かい場所で優雅に、
ひとりかもねむしてたんだね。

眠るメリーの横にある池では、太りきった錦鯉と、黒い鯉が二匹で、水面も揺らさず
じっとしている。

その池にも、桜の花びらが静かに浮いて。

主にいなくなった家で、老犬と鯉の時間だけが流れている。

庭に舞い降りた春は、犬と鯉のためだけにしばし、この場所に留まっている。

メリーは、私に気づいて、嬉しそうに尻尾を降って、前足を伸ばし頭を地面にすりつけて
ついておいで!!って感じではしゃいで走り出した。
お昼寝してるの見つかっちゃったって表情だった。

まだこんな表情をみせてくれるんだなって可愛く思った。

老犬と鯉と春だけの時間が流れている。






120418_1317~01



120418_1318~01-001



120418_1320~01



おはないっぱい きれいだよ。

メリーさん・・一番の想い出の場所だったんですかね。
桜の木の下。

ヒラリ はらり と、落ちゆく花びらの・・
その微かな感触を楽しんでいたのかもしれませんね。

目も耳も利かなくなってきたメリーさんは
想い出のなかでハンモックのように揺られて・・。
幸せだったんでしょうねぇ(*´∀`*)

お庭って・・
非日常な 幸せを詰め込んだ場所なのかも。
主無きあとも咲き誇る花を見てると、
そう思わずにはいられませんでした。
あ、今 水仙の香りがしたような気が・・。
2012.04.19 14:09 | URL | kaminomoribito #JyN/eAqk [edit]
犬も人と一緒ですね。
記憶は途切れても、感覚だけは永遠に残ってて流れるままに生きていく。
さおるさんの感覚も素敵。
2012.04.19 16:46 | URL | spoon ride #JyN/eAqk [edit]
こんばんわ。
かわいかったんだよ。
メリーも鯉も静止した風景に、さくらだけがまっていて
わたしがすぐ横にしゃがむまで、全く気付かなかったのに
目が合ってからのはしゃぎ様。
こんなところで眠りこけてたのみつかっちゃったって。

犬は回想するのだろうか。
鯉は?
ゆるやかに流れる時間なかで
しずかにしている "
犬と鯉の庭。
2012.04.20 01:01 | URL | さおる #JyN/eAqk [edit]
こんにちわ。
あのにぎやかだったおばあちゃんの家が、いまは年老いた犬と鯉だけが住む場所となりました。
仏壇に手を合わせ、お線香あげて
裏庭にでると、はらはらと桜が散っていました。

人は、死んでいなくなるのですね。
だれでも。
そして、季節はめぐる。
桜の下で、老いた犬といて、落ち着いた気持ちになりました。
2012.04.20 09:49 | URL | お名前 #JyN/eAqk [edit]
ああ!これ!美しい文章ですねえ…

時が静止したような。時の流れの中にたゆたう時間。
メリーさんという名前も、なんてこの美しい情景にふさわしいんでしょう!
きっと幸せな思い出を夢で見ていたんでしょうね。
そして、目を覚ましたら、大好きなさおるさんがいる…!
嬉しくって幸せで、ぴょんぴょんしちゃいます!

いぬのしあわせ……

こっくりとした春の日差しの中で、これも人声に溢れていた
昔を夢見る、古い家のしあわせ……

時の中に永遠にとどめていたいけれど、
すべてのものはいつか流れ去っていく…

それでも確かに、そこにかつてあったんですよね♪

2012.04.23 09:10 | URL | 彼岸花さん #bKDOO.Zg [edit]
時が止まった古い家に、犬と鯉だけがゆったりと暮らしています。
いろんなものが、ほこりをかぶって、色彩を失った暗い家の中を
とおりすぎて裏庭に出ると

はらはらはら
舞い降りてくる桜の花びらだけが、生き物のように見えました。

彼岸花さんが気に入ってくださった赤い硝子の灰皿も、曇って暗くなったものを
もらって連れ帰りました。
水で洗ったら、命を吹き返し、きれいきれい。

外では花がもう散るというのに、
仏壇の周りに飾られた、さくらの切り花は
暗い室内で、満開の時を迎え、咲き誇っているのでした。

ああ、人の命の憐れ
そして、一瞬の命のなんという尊さ、美しさ。
2012.04.23 14:08 | URL | さおる #JyN/eAqk [edit]


  • 管理者にだけ表示を許可する

trackbackURL:http://saoru420.blog130.fc2.com/tb.php/156-a8a86d71

プロフィール

さおる。

Author:さおる。
はじめまして。さおるです。絵を描き、詩を詠い、さまよい生きるものです。  
一人語りのような場所ですが、お付き合いよろしくお願いします。
コメントしてね♪

FC2カウンター

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

QRコード

QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。