
九月の声を聞いたかと思ったらもう、こんな所まで来てしまった。
いけない。いけない。
時間が流れて行ってしまう。
稲穂は黄金に輝いて、コスモスが揺れ、彼岸花までまっさかりになっていた。
まいとし、秋に焦がれていて、気付くと秋の真ん中に佇んでいる。

父の入院している病室からの景色は、ゆったりしていてとてもいい。
朝は山際に霧が立ち込め、しっとりと大気を潤している。
昼過ぎからは観光客が水に飛び込んだり、鮎掛けの人が気長に何時間も竿を伸ばしている。
夕方になって、犬を連れた近所の人や、学校から帰ってきた子供達がちらほら見える。

ここは、私が生まれた街の隣町。
三年間、JRに乗って、駅から学校まで歩いて通った。
懐かしい街並みは、観光客がふえたけれど、あのころと変わらない。
昼過ぎに病院を出て、ふらっと街を歩く。
どこにでも、水が流れる街。
大水で荒れることも時にはあるけれど、街の中を水がとうとうと流れる続けるっていいな。
滞らないで、水は流れて人の声をかき消して行く。

高校生の時からあった、喫茶チロルに入って美味しいコーヒーを頂く。
ちょっと背伸びをして、細まった階段を降りたところの席でお茶をした。
今も全く変わっていなかった。

morinofさんから、エゴ抽選で頂いた? かわいいカワセミオルゴール。
いい子で留守番していたね。
次は、一緒に10月にいこうね。
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