Loading…
 

スポンサーサイト

Posted by さおる。 on --.-- スポンサー広告
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

生きとしいけるもの。

Posted by さおる。 on 14.2012 日常 20 comments 0 trackback
ちち




こんなに幸せな時が、早く過ぎていってしまう。それだけが悲しい。

そう父は言った。


ほんとだね。お父さん、すべては過ぎて行くんだね。



わるいな。さおる。疲れるやろ。我ながら先が思いやられるわい。ありがとう。

私がいる時はいつだって、マッサージしてあげるからね。

お父さんを楽にしてください。そう願いながらうつ伏せた背中を押す。




実家からの帰り道を運転しながら、何度も父と通ったこの道を走りながら、とめどなく流れる出す思い。

父との時間。

その頃はまだ賑やかだった岐阜の問屋街を、小さな店子が密集する入り組んだ路地を
お客さんから頼まれた洋服を探したり、私が気に入ったものを見つけたり、
二人で何度も、行ったり来たりしたね。
威勢のいい、声が飛び交っていた。  大将まいどおおきに。
今はもう跡形もない、商人の集う街。

最後に立ち寄る呉服問屋で集まった大きな荷物を、父は肩に背負って、私はその背中を見ながら
車まで戻ったこと。
レストランや、お寿司屋さんに寄って食べたお昼が嬉しかったこと。
たくさんの品物と一緒に帰り着いたこと。

もっともっと、昔のことも。
クリスマスイブにお客さんのところにプレゼントの人形を配達したことや、
年末の売り出しの前に、新聞に折り込むチラシの原稿をつくって、インクの臭いの染み付いた印刷屋さんに持って行ったことや、

飼い犬のチロが私に噛みついた時、鎖で思い切り犬を殴った父。
今も残る、右人差し指の引き攣れた傷をなでてみる。

あの時一瞬垣間見た、咄嗟に見せた父の表情をなぞってみる。
私を、守ろうとしてみせた、たった一度の修羅の顔。


父がふざけて、ダムに掛かる橋の手摺の上を歩き出して、冷や冷やした私が本気で怒ってしまったこと。

湧き出してくるすべての思い出が、かなしくてかなしくて、しかたがなくなってしまった。
ほとんどのことが、もう父とは一緒にできないことだった。



私が調子に乗って、お酒を飲んで酔っ払って、詩を朗読したり、(素晴らしい名前をつけてくれてありがとう~)とか、(美しく生まれて幸せです~お父さんのお陰です~)とか、踊ってるのをみて

今日は何って日や。。。って笑ってくれたね。


産後、体調が戻らずに、途方に暮れて電話をした時も、直ぐに来てくれたね。
米袋に入れた砂を何袋も車に積み込んで。
やんちゃ盛りで、元気いっぱいの息子のために、庭に砂場をこしらえたりして
何日か、遊んですごしてくれたね。

返事ができないくらい疲れてた私に、どこが悪いかちゃんと調べたのか?って、なんども聞く夫に
「えらいもんは、えらいんや。」って言ってくれた父。


だから、私もお父さんを助けたいよ。




体の自由がきかなくなるって、しんどいね。
それを受け入れて、毎日をすごすって、しんどいね。

初体験だね。お父さん。
途方に暮れるよね。


お父さん。すべてが生きていること、感じるよ。
お父さんが生きていることも。
私が生きていることも。
子供が生きていることも。
草木が生きていることも。
通り過ぎた日々が生きていることも。
新しくめぐる季節が生きていることも。


生きとしいきるものすべてが、喜びと悲しみのなかでひしめいている。
私と共に、生きている。


スポンサーサイト
  

プロフィール

さおる。

Author:さおる。
はじめまして。さおるです。絵を描き、詩を詠い、さまよい生きるものです。  
一人語りのような場所ですが、お付き合いよろしくお願いします。
コメントしてね♪

FC2カウンター

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

QRコード

QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。